前原弘昌のバイク旅

第三章 西の荒野を突っ走る

2010年02月12日(金曜日)

第三章  西の荒野を突っ走る  
*ダーウィン~パース

バイクを止めたら
まずはビールだ!!
何はともあれビールだ!!
頭ン中が空っぽで
とにかく
今日もありがとう

☆旅は情け
8月13日 (月) 晴れ  19日目
朝一番で、バイクショップ、ダーウィン・ヤマハへ行く。リアタイヤ交換。リアブレーキパッド交換。オイルとフィルターの交換は、プロレスラーみたいなメカニックにやり方を教えてもらい、俺がやった。やっと全部のオイルを抜くことが出来た。そのため、俺が買っていたオイルでは足りなかったのだが、彼は内緒だといって、店の分をまわしてくれた。この国のメカニックは、本当に皆泣かせてくれる。情け深い男ばかりだ。チェーンにもスプレーして、これでオッケー。全部で180ドル。

 店先に出ると1人の日本人ライダーが来ていた。京大生で1年休学して、じっくり走るためにやってきたとのこと。力んでなく良い顔をしていた。名乗り合わなかったので名前は知らないが、
「お互い楽しみましょう」
 と言って別れた。
「しまったなぁ、せっかくの縁だから名前ぐらい聞いとけば良かった」
 と後悔するくらいさわやかさが印象に残っていた。(しかし10ヵ月後、幸運なことに日本で彼と再会できた。数日後出会うことになる坂口彰男氏と彼が、京都の自宅へ電話してきたのだ。長旅ではこんな出会いがいくつも重なってくるからおもしろい。)

 11時出発した。キャサリンへ向けて、一路南へ下っていくが、50kmも走るともう眠くて仕方がない。昼食と給油で休憩がてら、ベンチで少し横になる。記念にと思ってオートシャッターで写真を撮ったら、今度はそのカメラを置き忘れてしまうという、相変わらずどこか抜けている旅だ。結局、13km引き返した。親切な人が店に届け、おかみさんが預かっていてくれたから良かったものの、危うく暗く沈んでしまうところだった。
 その後キャサリンまでの270kmほどは、時々メインルートを外れたりしながら走ったりで、けっこう順調。急ぎ旅だが、どこかでチャンスがあるかも知れないと、ここで釣り具を手に入れた。
 この町でスチュアートHWYから離れ、西へ延びるヴィクトリアHWYへ乗り入れる。ここはまた一段と車が少ないところだ。これがアウトバックなんだ、という実感が沸いた。ここから先の予備知識は、あまり持っていない。ちょっと心細くなるような先行きである。
 それでも周りは熱帯サバンナの樹木が生えているし、遙か遠くには背丈の揃った樹が立っている地平線が見える。日没もきれいで、思わず走りながらシャッターを何度か切った。
 キャサリンから200km走ったところにある初めてのサービスエリア、ヴィクトリア・リヴァーのキャラバンパークにテントを張ることにした。ここのロードハウスで、珍しく10ドルも払ってステーキ・ベーコン・エッグ・サラダと豪勢な夕食を頼み、知り合ったオージー、Dr・クック夫妻とビールを飲みながら3時間も話し込んでしまった。旅の事、家族の事、お互いの国の事などたわいもない内容だったが、ずいぶん楽しいものだった。この所、ちょっと人との会話に飢えている。
 明日も晴れてくれるといいなぁ。現在のところ満天星空。

ヴィクトリア・リヴァー・キャラバン・パーク泊(2$)
本日の走行 Darwin ~ Victoria River 557.5km

…次回「1本指のピースサイン」へ続きます